平成17年02月25日制作
平成18年02月15日訂補
 
    
実車試作の前に作った1/2のクレイモデル。以前、I-BUS宇都宮工場の正門 に飾ってあった。
ガイドさん人形の名前 は五十鈴嬢というらしいです。(画像:(M))
7月05日:history2:いすゞ高速・観光車の歴史を製作しました。合わせてご覧下さい


昭和末期から、平成にかけ、いすゞは大幅な社内改革を行っていた。乗用車「ジェミニ」等の栄光は過去のものとなり、自社ブランドの乗・商用車の製造中止とOEM受け入れ、同時にGMへのクロカン車供給、そして川重への資本参加等、トラック・バスの専業メーカーとして、 製造・開発のインフラが大きく変化した。川重車体も昭和61年にいすゞ参加の際、IKコーチとなり、平成7年にいすゞバス製造に社名変更。ちなみにこの年の東京モーターショーではショーモデルを参考出品している。これがガーラのベースとなった。

いすゞー川重の歴史。 約9年サイクルでモデルチェンジしている事がわかる。(左)ヒルズカンパニーK-CSA650 昭和52年川重初の本格的FDスタイルとして登場したHDシリーズで昭和59年にP−LVシリーズ移行後、昭和61年までこのボディで製造された。縦4灯ヘッドライトは現在のエルガへと継承(?)されている(16年11月札幌市北区)
(右)北観光P-LV719R IKコーチとなってから 昭和62年にモデルチェンジした 「スーパークルーザー」6150mmクラスのホイルベースや世界でも例が極めて少ない大型車のラック&ピニオンそして安全性と重量配分の平均化のために10穴ホイルを採用をしたモデル。 富士・西日本架装車もあり、はとバスは富士HD・7S架装車を好んで採用していた。このモデルは、ボディは平成8年のガーラ登場まで、シャーシーは平成11年まで(後述)製造された(平成16年7月新千歳空港)

一方当時のバス市場は昭和57年、三菱のエアロシリーズが登場。セッサーノのデザインによる基本コンセプトは今も受け継がれている。さらに平成2年には日野自動車「セレガ」平成4年には日デ「スペースウィング」が標準架装である富士重7Sボディでフルモデルチェンジし、これまでのスケルトンから空力を意識したモデルに変化し、いすゞも次世代の観光ボディの開発が急がれていた。

セレガに遅れること6年、いすゞはショーモデルをベースに新たに「ガーラ」という車名をつけ登場した。平成8年の事である。設計思想はオバQから始まるBU・BHそしてCRA・LV219・スパクルと言う流れに沿い、旧川重色を濃く受け継いでいだと言われるが、強烈だったのはリヤウィンドウ。今までの常識をくつがえす2分割窓を採用し、個性を出している。事業者によってはこのリアに抵抗を感じ、採用を見送る事業者も多数あったと言われる。ただいえる事は管理人が小学生の頃新聞で見た「いすゞは無個性な車はつくらない」というキャッチフレーズを彷彿させるインパクトを感じた。
(上)相鉄自動車 ガーラ1 後部の2分割窓は今までにない斬新なものだ。(16年6月横浜駅て
(下)ジェイ・アール北海道バス ガーラ1 バンパー上のランプは排気ブレーキ作動時に点灯する。
リヤスポイラー付(16年2月札幌市中央区にて)

これまでは純正のIK架装車の他、富士架装車があったが、このモデルからは、ほぼ全てが純正のいすゞバス製造ボデーとなり、以前から系列内架装をしていた三菱も含め、本格的な架装系列化が始まったと言えるだろう。

ラインアップはハイデッカーの「ガーラ1」前面一枚窓のスーパーハイデッカー「ガーラ2」そして低運転席・前面二枚窓のスーパーハイデッカー「ガーラ3」9m車の「ガーラ4」(※Macでの文字化け対策で1.2.3を使用しています)がスタンバイされた。さらに安全対策として、平成9年、
バスとしては世界初の運転席エアバッグとシートベルトプリテンショナーを装備する。
平成12年に大型車の排出ガス規制に合わせ、マイナーチェンジ。「ガーラ2000」として登場。
ラインアップもハイデッカーが「HD」、前面一枚窓のスーパーハイデッカーが「SHD」、前面分割窓のグレースハイデッカー「GHD」、
9m車の「HD-9」に呼称改称した。各部の改良も行われ、ディスチャージヘッドランプ、リターダ、坂道発進補助装置が標準で装備されている。
多彩なボディラインナップ
(左上)淡路交通 ガーラ1(HD) (16年4月三宮駅前にて)
(右上)群馬バス ガーラ2(SHD) (15年9月羽田空港にて)
(左下)日本中央バス ガーラ3(GHD)(16年9月羽田空港にて)
(右下)祐徳観光 ガーラ4(HD−9)(16年1月博多駅にて)

 2000になっても基本スタイルに変化はないが、リヤのコンビネーションランプはバンパー内に変更された。なお、オプションで高い位置に増設することや従来の後部2枚窓の他、一枚窓も可能。平成14年からは交通バリアフリー法対応のため路線用に導入されるモデルは後方方向幕(LEDもあるが、あえてこの表記にさせて頂きます)設置の関係でこの1枚窓になり、登場時のインパクトが失われた感じがするのは私だけだろうか
(左・中)京浜急行 ガーラ1 
平成14年から、交通バリアフリー法に対応し、路線仕様車については、行き先の三方向表示が義務付けられたため後部デザインが変更された。行先表示がLEDという事業者も多くなってきた。ちなみに従来の2枚窓に見えなくもないが、1枚窓仕様(15年5月大井町駅前にて) 
(右)北海道中央バス ガーラ1 積雪地域では吹雪時に後方車の視界確認のため、コンビネーションランプが上方に設置されている
(17年2月 札幌駅前にて)
 
ガーラには、富士重・西日本架装車も存在する。
純正架装が主流となっても需要側の要望もあり、ガーラシャーシーの富士架装車は平成15年の1Mまで続いた。(日野、三菱の架装は平成10年で終了)
(左)エンジェル観光 KL-LV781R2 富士1M架装車(Mo)  (右)昭和観光自動車 KC-LV782R1富士7S架装車(H)
東都観光等首都圏の事業者は富士7S登場後も7HDの架装車を好んで導入した。
尚、スパクルシャーシに7HDを架装したモデルが平成11年まであり、、メータークラスター回りやマフラー形状で見分けることができる
(下左)東都観光 KL-LV774R2 ガーラ2000シャーシ富士7HD架装車(平成15年6月羽田空港)
西日本向けガーラシャーシーの供給は平成11年からであり、それまでスパクルシャーシーが供給され
尚、南国交通は西工架装車のヘビーユーザーである。
(下右)大分交通 KL-LV781R2 西工C型架装車(15年12月福岡空港にて)

エンジンは、世界最高水準と言われるいすゞの技術が結集され、デビュー時にはスーパークルーザーで実績のあるV10エンジン 10PE1を搭載、平成7年ショーモデルでお披露目されたV12エンジン 12PE1も用意。、ガーラ1には低出力仕様として、12PE1−Cが用意されガーラ4にはキュービックで実績のある8PE1−Sを搭載している。
搭載エンジンの一例
10PE1-H:380PS/2,300rpm
8PE1-S: 285PS/2,300rpm


V12エンジン12PE1−S 22,801t420psの高出力エンジンだが、
マイナーチェンジの際にV8の8TD1に変わった。
(画像:松江市交通局様)

平成12年のマイナーチェンジ時には排ガス規制対応のため、エンジンは大幅に変更され、それまでに搭載された10PE1の中間出力タイプ10PE1−Sを用意。V12 12PE1を廃止し、新たにV8の8TD1を3種類用意する。スーパーハイデッカーでは8PE1−Sを除く全てのエンジンが用意されている。

10PE1-S:265KW(360PS)/2,300rpm
8TD1-S: 353KW(480PS)/2,100rpm
8TD1-C: 331KW(450PS)/2,100rpm
8PE1-S: 210KW(285PS)/2,300rp
m

※いすゞのディーゼルエンジンは直噴の頃から
気等数(数字)-型式(アルファベット)ー改良進度(アルファベット)ー派生タイプ(出来た順?の数字)ー馬力(アルファベット)
に統一している。
例:V10の場合
10−P−E−1−S
直6で例えれば
6-R-B-2-*
となる。
馬力(アルファベット)は、恐らくこういう区分(だと思われる)
Hは超高馬力、Sは高馬力、、Cも普通、Nは低馬力燃費良し、


ガーラは登場からまだ10年を経過していないため、事業廃止・減車等を除き派手な中古の流通はない。ただ、一部の事業者ではすでにリースアップがはじまっている。今後は流通も本格化するだろう。
ガーラの中古流通の例 (左)共和観光バス ガーラ3 平成12年に事業廃止したイースタン観光からの譲渡車(B)
(右)山梨交通ガーラ1 淡路交通が平成10年に導入した初期の車両で16年12月〜17年1月頃にリースが完了した車両の購入(KT)

平成12年、日野といすゞは、国内のバス需要減少や部品共通化等のコスト削減に対応するため、バス事業統合を発表。持ち株会社「ジェイ・バス」を設立し、平成15年10月にそれぞれの100%子会社だった「日野車体工業」と「いすゞバス製造」を持ち株会社の傘下にした。
平成16年10月1日 日野自動車といすゞ自動車は、折半出資の持ち株会社と、傘下のバス製造子会社2社の計3社を、 1社に完全統合した。持ち株会社「ジェイ・バス」を存続会社とし、役員や資本構成 もそのまま引き継いだ。すでに路線系を中心に車種統合は進行しており、平成17年9月に新型観光モデルの投入が決定している。
ジェイ・バス統合により、次期観光モデルは名前こそ違うかも知れないが、日野自動車系販売会社との共同販売車種となるため、ガーラは終焉を迎える。前モデル「スーパークルーザー」が約9年間の生産であるのと同様に9年サイクルのモデルチェンジは続く事になる


ジェイ・バスとの車種統合で消滅した「ガーラ・ミオ」ガーラよりも廉価なため、遠隔地の路線用途の他、自家用も非常に多い。
(左)愛子観光 観光タイプ(B) (右)自家用中扉リフト付(15年8月札幌市内)
 鳥取県伯耆町(ホウキチョウ)役場 「ガーラ・ミオM-3」
 ジェイ・バスの車種統合後に登場したガーラ・ミオの現行車。日野「メルファ」と同一車種なっている。外観上の日野車との区別は   "GALAmio"の文字程度である。 (Sk)


その2へ トップへ   ユーザーリストへ




(C)2005 management by guerrilla1050.com